サステナブル情報開示義務化、金融庁が延期へ?スコープ3算定の難しさが背景に

2025-07-07
サステナブル情報開示義務化、金融庁が延期へ?スコープ3算定の難しさが背景に
オルタナ

サステナブル情報開示義務化、見送りか?企業への影響と今後の展望

金融庁が、2027年3月期からプライム市場に上場する企業に対して段階的に義務付けていたサステナビリティ情報開示の義務化について、見送りの方向で検討しているという情報が浮上しました。背景には、サプライチェーン全体にわたる温室効果ガス排出量であるスコープ3の算定の難しさが挙げられています。

当初の計画と企業への影響

当初の計画では、2027年3月期から時価総額3兆円以上の企業(約70社)にスコープ3を含むサステナビリティ情報の開示が義務付けられる予定でした。その後、1兆~3兆円規模(約100社)、5000億~1兆円規模(約100社)の企業へと対象が拡大され、最終的には時価総額5000億円未満の企業を含む、約1350社が対象となる予定でした。

この義務化は、企業にとって大きな負担となる可能性があり、特に中小企業にとっては、スコープ3の算定や開示に必要な体制を整備することが困難でした。また、開示情報の信頼性や比較可能性の確保も重要な課題として認識されていました。

スコープ3算定の難しさと課題

スコープ3の算定は、企業のサプライチェーン全体にわたる排出量を把握する必要があるため、非常に複雑で困難です。サプライヤーからのデータの収集や、排出量の算定方法の統一などが大きな課題となっています。また、スコープ3の排出量は、企業の直接的な活動による排出量よりもはるかに大きくなることが多く、企業のサステナビリティ戦略全体に影響を与える可能性があります。

金融庁の検討と今後の展望

金融庁は、スコープ3算定の難しさや、企業への負担などを考慮し、義務化の時期を見直すことを検討しているようです。今後の具体的な対応としては、スコープ3算定のガイダンス策定や、企業への支援策の拡充などが考えられます。

サステナビリティ情報の開示は、投資家や社会からの関心が高まる中で、企業にとってますます重要になっています。金融庁の動向を注視しつつ、自社のサステナビリティ戦略を見直すことが求められます。

まとめ

  • 金融庁がサステナビリティ情報開示義務化の見送り検討
  • スコープ3算定の難しさが主な背景
  • 企業は自社のサステナビリティ戦略を見直し、情報開示の重要性を認識する必要

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