【衝撃】証券口座乗っ取り被害が急増!1~6月で7000件超、金融庁が警鐘
2025-07-07

毎日新聞デジタル
金融庁は7日、2024年1月から6月までの期間において、証券口座の乗っ取りによる不正取引が、合計7139件に達したと発表しました。これは、個人の投資家の資産を狙った巧妙な手口によるもので、売買額を合わせると約5700億円を超える巨額な被害となっています。
不正取引の手口としては、フィッシング詐欺やマルウェア感染などを利用し、ID・パスワードを盗み出すものが多く見られます。盗み取られた情報で口座に不正ログインし、勝手に株式の売買を行うのです。特に、近年はAI技術の悪用も確認されており、より巧妙な手口で個人情報を詐取するケースも増えています。
月ごとの推移を見ると、6月は5月と比較して件数と金額ともに減少しましたが、依然として高い水準にあります。これは、サイバー攻撃の手口が巧妙化し、対策が追いついていない現状を示唆しています。
なぜ今、証券口座乗っ取りが増加しているのか?
背景には、以下の要因が考えられます。
- NISA制度の拡充:投資に関心を持つ人が増え、口座開設数が増加したことで、攻撃対象となる口座が増えた。
- リモートワークの普及:自宅などセキュリティ対策が不十分な環境で取引を行う人が増え、情報漏洩のリスクが高まった。
- AI技術の進化:AIを活用した巧妙な詐欺の手口が登場し、個人情報を詐取することが容易になった。
金融庁からの注意喚起と対策
金融庁は、不正取引の増加を受けて、投資家に対して注意喚起を行っています。具体的には、以下の対策が求められています。
- ID・パスワードの使い回しをしない:複数のサービスで同じID・パスワードを使用するのは危険です。
- 不審なメールやSMSに注意する:フィッシング詐欺に引っかからないように、送信元を確認し、安易にリンクをクリックしない。
- セキュリティソフトを導入する:ウイルス対策ソフトを導入し、常に最新の状態に保つ。
- 2段階認証を設定する:ログイン時にID・パスワードに加えて、認証コードを入力することで、セキュリティを強化する。
- 取引履歴を定期的に確認する:身に覚えのない取引がないか、定期的に確認する。
金融庁は、今後も不正取引の動向を注視し、対策を強化していく方針です。投資家一人ひとりがセキュリティ意識を高め、不正取引被害に遭わないように注意することが重要です。
参考情報:金融庁プレスリリース