消しゴム版画家・ナンシー関さんの作品5000点、劣化から救う!デジタル保存プロジェクトに知人たちが動き出す
消しゴム版画家として知られるコラムニスト、ナンシー関さん(本名:関直美さん。2002年に39歳で逝去)。彼女が残した約5000点もの消しゴムはんこ作品が、自然劣化により深刻な危機に瀕しています。
消しゴムという素材の特性上、経年劣化は避けられません。大切な作品が失われる前に、ナンシーさんの知人たちが立ち上がり、デジタル保存プロジェクトを始動させました。彼らは作品を一つ一つ丁寧にスキャンし、デジタルデータとして未来へと受け継ぐことを目指しています。
作品を守るために
ナンシー関さんの作品は、その独特な世界観と温かさで多くの人々を魅了してきました。消しゴムという身近な素材を使いながら、繊細な表現とユーモアを織り交ぜた作品は、見る人の心を掴んで離しません。
しかし、消しゴムは紙や木材と異なり、劣化しやすいという弱点があります。湿度や温度の変化、紫外線などによって変色やひび割れが生じ、作品の価値を損なう可能性があります。放置すれば、いつか失われてしまうかもしれないのです。
デジタル保存プロジェクトとは
知人たちが取り組んでいるデジタル保存プロジェクトは、作品をスキャンし、デジタルデータとして保存することで、劣化から作品を守ることを目的としています。スキャンされたデータは、クラウド上にバックアップされ、災害や紛失のリスクを軽減します。
また、デジタルデータとして保存することで、より多くの人々がナンシーさんの作品に触れる機会が増えます。ウェブサイトやSNSなどを通じて、作品を公開し、その魅力を発信していく予定です。
大分県由布市での展示
この活動に協力するため、大分県由布市のギャラリーで展示が開催されています。展示では、デジタル保存プロジェクトの紹介や、一部の作品が展示されます。ナンシーさんの作品に触れ、その世界観に浸る貴重な機会です。
ナンシー関さんの作品は、私たちに多くのことを教えてくれます。自然の美しさ、人とのつながり、そして、生きることの喜び。デジタル保存プロジェクトを通して、彼女の作品が未来へと受け継がれ、多くの人々に感動を与え続けてくれることを願っています。
佐々木浩人