やまゆり園事件から9年:奥山佳恵さん、深い悲しみと未来への希望を語る

2025-07-25
やまゆり園事件から9年:奥山佳恵さん、深い悲しみと未来への希望を語る
朝日新聞

9年前の悲劇、記憶に新しいやまゆり園事件から9年

2016年7月26日、神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で、利用者19名もの痛ましい殺害事件が発生しました。この事件から9年が経過し、多くの人々の心に深い傷跡を残しています。

俳優であり、ダウン症の次男・美良生(みらい)さん(13)と共に暮らす奥山佳恵さんは、この事件に大きな衝撃を受けました。事件当時、美良生さんはまだ4歳。仕事中、車内でニュースを目にした時の衝撃を今でも鮮明に覚えているといいます。

奥山佳恵さんから見た9年間

「事件のニュースを見た瞬間、足がすくみ、信じられない気持ちでいっぱいでした。美良生も、何が起こったのか理解できない様子でした。」奥山さんは当時を振り返ります。事件後、美良生さんは、周囲の空気を敏感に察知し、不安を感じるようになったとのこと。奥山さんは、美良生さんの心のケアを第一に考え、寄り添いながら、少しずつ日常を取り戻していく努力を重ねてきました。

「障害者の方々に対する理解と支援が、まだまだ足りていないと感じます。やまゆり園事件のような悲劇が二度と繰り返されないために、社会全体で障害者に対する意識を高めていく必要があると思います。」奥山さんは、事件を教訓に、障害者福祉への関心を高めることの重要性を訴えます。

美良生さんと共に歩む未来

美良生さんは、現在、小学校に通いながら、様々なことに興味を持ち、積極的にチャレンジしています。俳優として活動する奥山さんは、美良生さんの成長を温かく見守り、支え続けています。

「美良生は、私にとってかけがえのない存在です。彼の笑顔が、私の生きる力です。これからも、美良生と共に、様々な経験を積み、成長していきたいと思っています。」奥山さんは、未来への希望を語ります。

やまゆり園事件の犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、残されたご家族の皆様へ、心からの哀悼の意を表します。そして、この事件を教訓に、誰もが安心して暮らせる社会の実現を目指して、私たち一人ひとりができることを考えていきましょう。

【写真】ダウン症児の子育て、一番の「モンスター」は 奥山佳恵さんの10年 奥山さんの子育ての苦労や喜び、美良生さんの成長の軌跡を写真とともにご紹介しています。

おすすめ
おすすめ